化粧品の「本当のところ」

原液化粧品の定義と罠【プチ閲覧注意】


原液化粧品の定義

まず、おかたい話ですが「原液化粧品」とは何でしょう?
その定義は何でしょう?

ずばり言ってしまうと、一般的に「化粧品原料をそのまま容器に詰めただけの化粧品」を「原液化粧品」と呼びます。

化粧品は様々な化粧品原料を混ぜて、それを水や油に溶かして、ローションやクリームにしています。これは視点を変えると、美容成分の化粧品原料を水や油で薄めている、とも言えます。

「美容成分を薄める」というと何だか効かなくなるようでイメージがよくないですが、美容成分の化粧品原料に関わらず、ほとんどの化粧品原料は、そもそも何%くらいに薄めて使うとちょうどいい効果が出る、ということを想定して作られています。

例えば化粧水に1%の濃度で配合することを想定している植物エキスがあるとします。
これをもし薄めないで100%で塗ったら、次の日には肌が真っ赤になって皮膚科行き、なんてことは高確率でありえるケースです。

「原液化粧品」とは、そういった危険性のない化粧品原料について、水や油で薄めることなく、最高の美容効果で使えますよ、という化粧品ということになります。


蛇足ですが、原料と原料をそのまま混ぜただけ、というもの「原液化粧品」の定義のなかに入ります。

「3つの原料を混ぜただけの原液化粧品です」といったケースですね。

要は「原料を薄めずそのまま使っている」というのが「原液化粧品」の定義のだいじなところと言えます。



  原液化粧品の罠


そう聞くととても効果がありそうで魅力的に見える「原液化粧品」ですが「化粧品原料をそのまま容器に詰めただけの化粧品」という定義を逆手に取っている原液化粧品が存在しているのも事実です。

それは、化粧品メーカーのために、原料会社がそもそもカスタマイズした原料を販売しているケースです。

先ほどの例でいうと、本来化粧水に1%で配合する「植物エキスA」を、原料メーカーのほうで100倍に薄めて「植物エキスA´」というものをつくります。
化粧品メーカーはそれをそのまま容器に詰めて「植物エキスA原液」として売り出します。

これは極端な例ではありますが「そんなことあるの?」と思われるかもしれません。

しかし化粧品メーカーと原料メーカーのつながりは強く、あるたったひとつの商品に独自性を出すために、原料メーカーが化粧品メーカーのために原料をカスタマイズするということは、よくあることです。

定義として「原料を薄めていないよ」というのが化粧品メーカーのいう「原液化粧品」なわけですが、そもそも原料メーカーのほうで薄めている、というケースがあるわけです。



  見極めの難しい「原液」という言葉


そこまで聞いてしまうと、原液化粧品に興味のある方は「じゃあどうすればいいの?」と思われるかもしれません。

しかし原液化粧品の見極めはプロが見ても困難です。

逆に、スクワラン、ホホボオイル、アルガンオイルなど、オイル系原液化粧品は全成分を見れば簡単にわかります。

化粧品に使われるオイル原料は100%のものがほとんどで、追加で入っていても酸化防止剤のトコフェロール(ビタミンE)くらいなので「スクワラン原液」と言っていて全成分に「ミネラルオイル、スクワラン」と書いてあったら「ウソでしょ?」とわかります。

スクワラン原液には「スクワラン」しか表示されないはずです。

しかしオイル系ではない、要は「水」が入ってくる原液化粧品は、キーの美容成分の配合量が想定できないことが多く、判断が難しいです。

例えば「ヒアルロン酸原液」というものがありますが、ヒアルロン酸はそれ自体液体ではなく個体なので「ヒアルロン酸原液」というものはヒアルロン酸を水に溶かして加工した、化粧品用の「ヒアルロン酸溶液」という原料なわけです。

これは全成分を見ると「水、ヒアルロン酸、フェノキシエタノール」(フェノキシエタノールは防腐剤です)みたいに書かれているので「いったいヒアルロン酸は何%なの?」というのがまったくわからないのです。

こうなるともう、ブランドの信用力と、価格が変に安くないか、というところでしか判断できません。

ただ、水が入っている原液美容液の中で、これは信用できるだろう、という指標はあるにはあります。

それは、全成分の最初の成分に「水」ではなくキーとなる美容成分が書かれている原液美容液です。

最初に美容成分が書かれているということは、水より美容成分の配合量が多いということになり、美容成分の配合量が保証されているといえます。


今、流行りの幹細胞コスメですが、幹細胞コスメに使われている「幹細胞培養上清液」という原料は、製造方法的に、薄めなければ原材料の表示に「水」は入ってきません。

ただ、さまざまな原料メーカーから販売されている幹細胞原料の中で、水で薄められていない(成分表示に「水」が出てこない)原料は、数えるほどしかありません。

もし全成分に「水」の記載がない幹細胞原液化粧品があれば買い、と判断できますが、全成分の最初に「水」の記載がある場合には、やはりブランドの信用力と価格、そして使ってみての効果で判断していくしかないのでしょう。



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