化粧品の「本当のところ」

化粧品の成分の見方と、見破り方【後編】


化粧品の成分の見方と見破り方【前編】から続きます。

成分表の1%ラインの見つけ方

では次に、1%ラインのおおまかな見つけ方についてお話しします。
(【前編】に書きましたが、あくまで医薬部外品の記載の方法は別のルールとなりますので、参考にしないでください)

①:コラーゲン、ヒアルロン酸や〇〇エキス

「何か美容に良さそう」といったこういう成分ですが、ほとんどの場合1%は入っていません。
(かといって、1%も入っていないから効果がない、というわけではないので、そこは誤解しないでください)

一方、化粧品メーカーとしては順不同であれば、これら美容に効きそうな成分の表示をなるべく上のほうに持ってきて目立たせたいと考えます。

だから、もし5番目に〇〇エキスがあったら、4番目までが1%以上の成分、と予想できます。

美容効果がありそうな成分が成分表のずいぶん上のほうに記載されている場合は、こういった事情があると認識しておいたほうがいいかもしれません。

「上のほうにヒアルロン酸が書いてあるから効きそうね」なんて思ってはいけません。

1%以下なら5番目に記載されていようが30番目に記載されていようが、変わりはありませんので…。


②:ポリオール系成分

ちょっと難しい話になりますが、こちらは主にスキンケア化粧品に関する話です。

化粧水やクリームにはよくBG(ブチレングリコール)、ペンチレングリコール、ヘキサンジオールといった成分が使われています。

これらは似た成分ですが、しっとりだけどベタつかないテクスチャーを演出でき、保湿効果があり、かつ防腐効果が期待できるので、頻繁に化粧品に使用されています。

BGについては10%程度まで配合されることがありますが、ペンチレングリコール、特にヘキサンジオールはこの1%ライン付近の配合量で使用されることが多いです。

①のように成分表の上のほうにエキスや美容成分が見つからない場合は、これらポリオール系の成分がどこにあるかを見て1%ラインを想定する、というやり方があります。

例えばヘキサンジオールが5番目にあれば、そこまでが1%かな、という想定。4番目にペンチレングリコールがあり、20番目にヘキサンジオールがあれば、ペンチレングリコールまでかその次くらいまでが1%で、ヘキサンジオールは1%以下だな、とういう判断になる感じですね。



  例えば、ナイアシンアミド


シワへの効果が注目されている美容成分、ナイアシンアミドですが、こちらを例に挙げてみましょう。

ナイアシンアミドは3%ほど配合すると有効とされていますが、もちろん0.001%しか配合しなくても全成分には表示できます(効果があるかは知りませんが…)。

化粧水Aは全成分に「水、グリセリン、ナイアンシンアミド、BG、ペンチレングリコール…」とあり、値段は100mlで4,500円、広告にも「ナイアシンアミド配合!」と大きく出ています。

そうすると「全成分から見るとまあBGより上にあるから、ナイアシンアミドはきちんと3%くらい入っているのかな、価格も高いから原料のコストもかけていそうだしね」と判断できます。


しかし一方、化粧水Bは「水、グリセリン、BG、ペンチレングリコール、コラーゲン、○○エキス、ナイアシンアミド…」と書かれていて、価格は1,500円、さらに300mlの大容量で、おまけにそこそこ豪勢な容器に入っていたりします。

これで「ナイアシンアミド配合!」と書かれていても「ちょっと待てよ?」となってしまいます。

コラーゲン以下は1%未満と考えられ、それは0.9%かもしれないし、0.0001%かもしれません。

そして価格は低く、容器にもコストがかかっているとすると、原料にはコストがかけられません。
ついでに大容量なら、美容成分はさらに薄まって入っている可能性が大です。

結果「いったいナイアシンアミドの配合量はどれくらい?」という疑問がわいてしまいます。


本来はしっかり美容成分の配合量が書いてあればいいのですが、そういった化粧品は稀です。
また化粧品の成分の配合量はコールセンターに電話したところでまず「企業秘密です」と教えてもらえません。

そうしたとき、面倒ではありますが、こうした方法で何となくでもその化粧品を判断する、という方法があることは、憶えておくのも得かもしれません。



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