化粧品の「本当のところ」

化粧品のキャリーオーバー成分ってなに?


化粧品のキャリーオーバー成分とは?

化粧品の「キャリーオーバー成分」。

正直、化粧品や食品の業界にいるか、よっぽど化粧品マニアでいろいろと調べている人しか知らない言葉なのではないかと思います。

では、化粧品のキャリーオーバー成分とは何でしょう?

正確な言い方ではないですが、わかりやすくひとことで言えば、化粧品でいうところのキャリーオーバー成分とは、化粧品に配合されているけれど微量なので成分表に書かれていない成分のことです。

化粧品はすべての成分をパッケージに表示することが原則となっていますから、キャリーオーバーについてはその例外ということになります。



 キャリーオーバーとなるには


では、どういった成分がキャリーオーバー成分になるのでしょうか?

宝くじで「キャリーオーバー」というと「繰り越し」という意味で、前回の賞金がくっついてくる、という意味ですが、キャリーオーバー成分も同様の意味で「主成分にくっついてくる成分」という意味です。

具体例をあげましょう。

1%の配合量で効果を発揮する防腐剤Aがあります。

Bという植物エキスがあり、この植物エキスBには腐らないようにするためにAが1%配合されています。

あるローションを作るとき、植物エキスBをローションに1%の濃度で配合しました。

そうするとローションの中には、1%の1%で、0.01%のAが含まれていることになります。

ローション全体から見ると、Aは0.01%しか入っていません。

本来1%で防腐効果を発揮するのに、1/100しか入っていないので防腐剤としての効果はない、ということになり、この場合キャリーオーバー成分として、成分表には防腐剤Aを記載しなくてもよい、ということになります。



 キャリーオーバー成分の問題点


上記のケース以外にも、不純物として含まれる微量な成分もキャリーオーバー成分として表示されないこともありますが、化粧品のキャリーオーバー成分についてはいくつかの問題点があります。

まずひとつは、キャリーオーバー成分として、表示したくない成分を隠される可能性がある、ということです。

どこまで微量の配合であればキャリーオーバー成分として表示しなくてよい、といった規則はなく、キャリーオーバー成分として表示しないかどうかの判断は化粧品メーカーの裁量次第です。

業界としては、ノンパラベン、パラベンフリー(パラベンという防腐剤を使っていないというアピール)をする場合には、キャリーオーバーにもパラベンを含んでいてはいけません、という通知を出したりしていますが、それ以外に目立った規制はありません。

キャリーオーバー成分は「表示してはいけない」ではなく「表示しなくてもよい」成分ですので、キャリーオーバーだろうがなんだろうがすべての成分を表示する、というスタンスの化粧品メーカーもありますし、ほとんどの化粧品メーカーはキャリーオーバーの制度を悪用しようとは考えていませんが、たとえばキャリーオーバーの制度を使って、化粧品の成分をよりナチュラル寄り(天然由来寄り)に見せる、肌にやさしそうに見せる、ということは可能です。

また、肌に合わないことがわかっている成分などがある場合や、使いたくない成分がはっきりしているという場合、本当にその成分を避けるにはキャリーオーバー成分の有無を確認しなくてはならないので、その点にも注意が必要です。



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